
現在、台湾では大半の人が中国語、台湾語(閩南語)、客家語を話していますが、世代交代や時代の流れの中で、「最近の若者は台湾語を話さない」とネット上で疑問を呈し、ネットユーザーの間で議論が巻き起こりました。
台湾の掲示板PTT(日本でいう2ちゃんねる)のゴシップ板「台湾語は本当になくなってしまった」というタイトルで議論が沸き起こりました。以下投稿文です。
【台湾語は本当になくなってしまった】
数人の10代の子供たちと話して、台湾語ができるかどうか聞いてみました。彼らの多くは、台湾語を話せないほか、台湾訛りもない北京語で話していた。
調べたのは知り合いの子供たちだけでなく、すこし年の離れた従兄弟たちもいました。また、その子達の多くは中南部(台湾語がよく話されている地域)に住んでいます…。

南部の子まで台湾語が話せなくなっているのはショックです。
目次
台湾語を話せなくなった理由

台湾語は現在も南部の方へ行けば街中で話されています。南部に限らず台北など北部でも地元の年配の方同士ですと台湾語で話す光景がたまに見られます。ですが確かに30代以下の台湾人同士で台湾語で会話しているのをあまり見たことがありません。台湾語が盛んな南部でも20代は中国語で会話をしており、台湾語を話しても台湾語の発音が良くない事が多々。子供同士での台湾語で会話は台湾中で皆無といってもいいでしょう。30代-40代の北部の台湾人になると「聞き取れるけど話せない」という台湾人も多いです。
台湾語=ダサいというイメージ
台湾人にとって台湾語はどういう意識として話されているのでしょうか。スレ主はこうも振り返ります。
「私も子供の頃、台湾語を話すことは台湾人らしいと感じ、話したくないと思ったことを覚えています。8+9(不良やヤンキーという意味)はよく台湾語を話していて、その印象が強すぎます。 その結果、台湾語を話す=ダサいというイメージがあり若い人が台湾語を話す事がなくなってしまった。台湾語はもうすぐ消えてしまうでしょう…。
時々、北京語と台湾語について考えることがあります。アメリカのように公用語が英語なのに、スペイン語を話す人が多いのと同じ感覚に似ています。台湾語は台湾に来てからそれほど時間が経っていないのに、あっという間に消えてしまっている….」
確かに、台湾人の中で台湾語を話す=田舎者のようなマイナスのイメージがあるようなことは台北で聞いたことがあるし、住んでみるとそのような少しネガティブな雰囲気も感じる。南部ではそのようなことはなく比較的若い世代でも中国語とミックスだが台湾語を話している。

台湾語(南部)と中国語(北部)は、関西弁vs東京弁のような構図に似ています。
台湾語を必要としない社会になっている

このスレ主の投稿にに多くのネットユーザーが答えました。

ほとんどの人が聞き取れるけど、話せないだけ

政府が英語、北京語、英語を推進してるし、子どもは台湾語を学ぶ時間の余裕がないんじゃない?

台湾語で履歴書を書いても評価されない

親だって英語を学んでほしいと思ってるよ。そんなに台湾語に力を入れたいなら家で教えてあげなよ

落ち込んでるなら、子どもたちが英語や中国語を学ぶ時間を台湾語を学ぶ時間に充てればいい

小さい頃から教えればいいよ。未就学期が最強の言語習得期

これは世界中の方言の傾向だね
勉強が忙しくて台湾語を覚える時間がない。キャリアに役に立たない。そのような現実的な意見が多く見受けられました。確かに台湾語しか話せない世代が減ってきている現在、実生活で台湾語を要求されることは少ない。ただし、日本語世代の中国語が苦手な老人を対象とした職業によっては必須とされている。
看護師や医師、介護職や駅員など公共サービスなどは台湾語習得を要求される所も多い。ただし、この状況は世代交代により年々変わっていくだろう。
客家語や原住民語はほぼ消滅している

台湾では台湾語のほかに、客家人が使う、客家語、原住民が使用する言語がある。原住民語といえば政府認定原住民が16族もあり各自言語が似ていたり全く違ったりする。長年台湾に関わってきた経験からすると、若い人に限らず客家語も原住民語も単語は残っているが、話す人はほぼいないのが現状だ。本来使っているべき大正昭和生まれの老人は日本語を使用している。

大正生まれの世代でも、原住民語ではなく日本語で話しています
政府も台湾語教育を開始

台湾語消失危機は前々から言われており、台湾政府もついに対策を打ち出した。教育部のWEBサイトによると教育部は国家言語発展法受けて108のカリキュラムを改定しました。小学校では台湾語、中学校で台湾語と原住民言語のカリキュラムが追加されました。2022年8月から施行される見通しです。
最近のアーティストも台湾語の楽曲も多いため、すぐに台湾語が消える事はないだろうが、台湾語文化が守られていくことを願うばかりだ。
(文 台湾通信編集部 佐藤)


